幕末は、1853年7月8日(嘉永6年旧暦6月3日)の黒船、即ちマシュー・ペリーが率いるアメリカ海軍艦隊が来航、王政復古の大号令(1868年)においても「抑癸丑(1853年)以来未曾有の国難」が体制変革の画期として指摘されている。
「西洋の衝撃」を受けた国防意識の高まりとナショナリズムの勃興を背景に、徳川将軍が事実上の国家主権者として君臨する幕藩体制が解体され、国内の政治権力の再編が進む過程である。その中心を担ったのは薩摩藩、長州藩、土佐藩、肥前藩などの、いわゆる西南雄藩であった。この時期には「鎖国」を抛棄して開港した日本が、外国との自由貿易の開始によって世界的な資本主義市場経済と植民地主義に組み込まれた。また一部での排外主義(尊王攘夷運動)の高まりにも関わらず、列強の圧倒的な存在感により社会自体が西洋文明の影響を受けて劇的に変化していった時期でもある。この幕末の過程は、たとえば島崎藤村の長編小説『夜明け前』など多くの文学作品にも描かれている。
政治的側面においては、幕末を、単なる過渡期とするか、あるいはそれ以前以後とは異なった独自の政治体制とするかの2つの見方に分かれる。一方で、国際関係史的には「近代」として扱われ、一連の条約の締結により日本が西洋近代システムへの参入を果たした幕末から、第二次世界大戦で敗れて天皇を主権者とする帝国主義国家が崩壊するまで、即ち開国(1854年)から第二次世界大戦敗北(1945年)までを「近代」とする見方も存在する。
幕末の尊王攘夷運動を考察したものであり、その中でも、徳川幕府御三家の一つである水戸藩に注視し、幕末の幕開けともいえる桜田門外の変〜東禅寺事件〜坂下門外の変を中心に考察を加え、幕末の動乱を研究したものである。
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